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肘で引くのは間違っている?故障する前に疑いたい弓道の常識

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こんにちは。

今日は指導でよく使われる「肘で弓を引く」という言葉について考えてみたいと思います。

<あらすじ>
・肘を使うと肘が壊れる
・肘を身体のナナメ後方に納めろ、という指導の罪
・肘を使うには手先で弓を引く必要がある
<あらすじここまで>

 


■肘を使うと肘が壊れる。
 私も学生時代に指導をお願いすると「会で肘が入っていない。もっと肘で引きなさい」と必ず指導される程、肘について指導をされました。
私はずっと大三から離れに至るまで、「肘で引く、肘で引く」とうわ言のように意識し続けた結果、完全に肘を壊しました。末期では大三をとると、もう痛くて痛くて会まで激痛、日常生活でも肘を伸ばすと激痛、ボーリングに行こうものなら玉が痛くて持てない有り様でした。
(ちなみに、巻藁を十数本引くと筋肉が温まるのか何とか練習は出来ていました。どんなに痛くても練習をやめなかったのが、我ながら恐ろしいというか、大いなる間違いでしたが。。。)
しかし、先生からは「肘が痛いのは、肘が使えている証拠!」と言われ、そうか、弓道とは肘の痛みとの戦いなのだ、と思って練習をし続けていました。

 ある日、学校の道場が使用できなかった為、練習するためにたまたま訪れた地元の弓道場で出会った先生に、肘の話をしたところ頂いたご指導が何と言うか、もう目からウロコがボロボロ取れまくる様な話だったのです。
*基本的にどこかの先生に師事している人間を別の先生が指導してくれる事はほぼありません。人間関係を壊すことにつながるからです。この先生は、私があまりに無残だったので、きっと見るに見かねてアドバイスをしてくれたのでしょう。。。

■肘を身体のナナメ後方に納めろ、という指導の罪
 地元の先生はまず言いました。「肘で引こうとすると、どんなに肘で引いている意識でも、肘で引いている様には見えないよ。肘も壊すよ」
 肘のトラブルで最も有名なのが、テニス肘・野球肘等がありますが、いずれも投球やテニスボールへのインパクトの瞬間にかかる肘への負担により肘が炎症を起こす(部位は異なりますが)症状です。
弓道の肘の痛みも、これに同様に会から離れに至る瞬間に肘に負担がかかり、蓄積されていく為、いつしか炎症を起こすのです。
 そう。そして、肘で引く意識を持っている限り肘にインパクトの負担がかかり、肘が炎症を起こすのです。

 この原因は私が常に指導されていた「会では肘を入れろ。ナナメ後方、後ろの射手の右足めがけて肘を入れろ」という言葉でした。
実はこれ、肘を後方に納める意識をすればするほど、肘が潰れて妻手が前に出て来ます。起こせ!と言われても、会ではどうしようもありません。その先にあるのは肘に力がかかり過ぎて離れなくなった状態。そして離すための緩み離れです。しかも肘痛のオマケ付きです。

■肘を使うには手先で弓を引く必要がある
 肘を痛めない為にはどうすればいいか。逆から考えていくと答えが見えてきます。
肘に負担をかけないために、会で肘だけに力が集中する事をやめることです。
言い換えれば【手先で弓を引く】という事です。
手先で弓を引くのは手繰りに繋がるためこれも良く指導の対象となりますが、
手繰りの悪い点は【手首で弓を引く】ことです。
これを逆に上手く使うことで肘と手首、両方に弓力を分散させ、負担を減らす。
それが肘で引いている状態です。
 実際に順序を追って説明すると、
①大三で肘を矢筋の方向へ伸ばす
②肘が肩の高さに来るまで肘で引いてくる
③肘が肩の高さまで降りてきたら、肘を意識しつつ手先で引き、口割まで引き切る。
④会で手先と肘の両方に力を張り、離れで同時に肘と手を裏的方向へ飛ばしてやる。
この③の時に手先で一息引きこむと、肘がグッと一段沈みます。これが、肘で引いているという形になるのです。

「引いていて身体が痛くなるのは順序か、方向性か、どこかが間違っている。100射して筋肉が動かなくなっても、筋はどこも痛くない。明日はまた元気に弓が引ける。そういう弓を引かなきゃいかん」
 私に教えてくれた先生はそういっていました。
長く弓道を楽しむために、心に留めておきたい言葉です。

それでは。