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プラスティック・メモリーズ感想・考察【第7話まで】

こんにちは。今回は、現在東京MXほかにて放送中のアニメ『プラスティック・メモリーズ』についての感想を書いていきたいと思います。

 

www.plastic-memories.jp

 

 プラスティック・メモリーズとは、MAGES.所属のシナリオライターである林直孝さんによるオリジナルアニメ作品です。

プラスティック・メモリーズ - Wikipedia

詳細な説明はwikiに譲るとして、今回は最終回に向けての考察、物語構成について思ったことを書いていきます。

 

■プラスティック・メモリーズはSFではない。

 放送開始から一貫してシナリオの林直孝氏は『ラブコメ』として王道を行きたい。とコメントしています。よって、今回はシュタインズ・ゲートの様なドラマチックな展開は発生せず、現在描かれているツカサとアイラの信頼、愛情について最終話まで掘り下げられていくのではないでしょうか。

 

■人生に幕を降ろすのは、誰か?

 SFではない。というコメント通りの展開となれば、全く的外れになるとは思いますが、物語構成においてインパクトのある逆転劇を考えるならば、私は『死に至るのはアイラではなく、ツカサである』と考えます。

アイラの寿命は既に序盤に明示され、2000時間(第7話においては既に1000時間)となっており、残されるエピソードはツカサとアイラの交流に注がれる他ありません。

 しかし、放映直前のPVには

ーー彼は願う、この恋の思い出は、ホンモノであってほしいとーー

ーー彼女は怯える、この恋の記憶は、ニセモノであってほしいとーー

という記述があります。これは、アイラにとっての記憶が悲劇的なものであるがためにニセモノであってほしいと怯える。と受け取ることが出来ます。

ツカサの死はどの様な原因にせよ、矛盾なく挿入が可能であり、驚きを持って迎える事が出来るという点において、有効であると考えます。

(当然ストレートに、別れを受け入れ難いほど楽しい記憶が失われる事への怯え、と取ることもできます。というより現在のDVD&Blu-ray発売情報のジャケットはアイラが不在で、代わりにツカサがハーブの植木鉢を持っている、というイラストが描かれていますので、映画『レオン』のラストシーンの様にアイラの形見として植木鉢を持っている、と考える方が自然かもしれません。)

 

 この物語はSFですよ!と言われれば、最終話で凶弾に倒れるツカサ。アイラの選んだ選択肢はツカサの脳内神経細胞を完全にデジタルコピーし、有機的に融合する事だった。ツカサの人格を含めた有機データを取り込んだアイラはワンダラーとなるもこれを克服し、超進化ワンダラーとしてギフティアの人格保持期限である81920時間を超え、永遠とも言える命と鋼の肉体を手に入れた。アイラは正義のため、今日も戦うのだ!!

と、なるのですが、まぁならないでしょ(笑)。

 

■残された謎

 ラブコメとしてのプラスティック・メモリーズが残された話数で回収すべき謎はギフティアの81920時間、およそ9年4ヶ月という時間です。

アイラは3年前までツカサの上司であるカヅキとペアを組んでいて、ミチルの親代わりとなっていたギフティアのワンダラー化によりカヅキの右足切断という怪我によりペアを解消した。という経緯は既に劇中で明らかとなっていますが、残りの出生から約6年については明らかになっていません。

舞台装置としての機能喪失をおよそ9年4ヶ月とした意図を有効に回収するためには、アイラの隠されたこの6年が明らかになる必要があります。

そもそも、ツカサとの関係を描くだけであればこれだけ長く寿命を設定する必要も、明確な時間を区切る必要すら無いのですから。

 今後関係する人物として最も有力であるのは、SAI社の部長である『伍堂ミキヤ 』です。

ツカサは入社時に伍堂部長の推薦で配属されており、つまり何らかの意図によって『アイラと出会う運命を与えられた』といえます。また伍堂部長は古株であるヤスタカと旧知の間柄です。アイラと関係があったと考えるのが自然でしょう。今後は伍堂部長、ヤスタカの二人、または山野辺課長を入れた三人によってアイラの過去が語られていくと思われます。

 じっくりと関係性を掘り下げていっている本作だけにインパクトが薄いのは否めませんが、ツカサとアイラの悶えるような距離感は見ていて飽きないこれぞラブコメの王道!という風格を感じさせます。二人の関係、明かされる過去について、最終回の展開まで見守っていこうと思います。

 

それでは。